[ 山中 現 ] 山中現個展 “Small World”より

[ 2020年6月21日 ]

「山中 現 ”Small World”」
◉ 会期:2020.6.15(月)〜27(土)
◉ 休廊日:21(日)、22(月)
◉ 時間:12:00〜17:00(当面の間、営業時間を短縮しています)

今展は 『山中現 全版画1975-2020(レゾネ)』刊行に因み、様々な版画を紹介しています。
★オンラインショップでレゾネ購入可 https://art-scenes.net/ja/artworks/14506 

 

【モノクロームセレクション】

◉近年の代表作になるであろう「G氏のために」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◉墨一色の木版画の美しさを見せる為、額から外して展示しています。
こちらのサイトから購入できます。
https://art-scenes.net/ja/artworks/14503

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◉珍しいドライポイント(銅版画の)小品
こちらのサイトから購入できます。
https://art-scenes.net/ja/artworks/14499

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【今展覧会のために制作・刊行した木口木版画集】

掌サイズの木口木版画3点を制作頂き、今展会期に合わせ版画集にしました。
・限定9セツト|特注額装1点付き|箱タイトルは直筆
*6/20現在、好評につきあと2セットのみとなっています。ご希望の方はお早目に❗️

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

★こちらのサイトからもご購入出来ます。https://art-scenes.net/ja/artworks/14507

 

【自画・自刻・自刷りの色彩木版画】

新作では削ぎ落としたフォルムと今までにない鮮やかな色彩木版画で画業45年目にして新たな方向性を探っているようです。
(下記リンクサイトより購入可)

「冬より」
https://art-scenes.net/ja/artworks/14493
*キミドリの野道を歩く人は…。

「ひとつの黒」
https://art-scenes.net/ja/artworks/14501

「星への道」
https://art-scenes.net/ja/artworks/14500
*100年前の「月映」の版画家たちへの憧憬なのでしょうか、黒ではなく青空色?一色です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

*ウイルス感染防止対策をできる範囲(換気の徹底・除菌ジェル完備など)で行っておりますが、お客様もマスク着用の上、体調の良い時に無理のない範囲でご来廊ください。

不忍画廊

[ 成田 朱希 ] #S|成田朱希 「スカートの下の劇場」

[ 2020年5月9日 ]

成田朱希 「スカートの下の劇場」  2019 油彩・キャンバス F20 (727×606㎜)

 

観客のいないスカートの下の劇場で、女だけの王国が成立するという「スカートの下の劇場」は、上野千鶴子先生著作のタイトルからつけました。
昔々、パンティが日本に紹介された時、性器に密着し歩くたび性器にささやきかける小さな布きれに、保守的な人々は女性の美と慎み深さの終焉とばかりに危惧したのです。パンティで性器を隠す事で、より女性器の価値を高める意味もありました。「見ちゃダメ!」と隠せば隠すほど、見たくなるのはよくあることで、だからこそ女性はパンティで性器を隠し、とてもとても大切なものだというアピールをしてきました。観客のいないスカートの下の劇場には、幼女から老婆にいたる女性たちの差別や迫害、強制奇習等等、フェミニズムの歴史やナルシシズム、そして私的な無数の性的物語が、私の描いたスカートの下の襞にも充満しているのです。

上野千鶴子先生がまだ東京大学の教授になられる前、私は関西でお会いした事があります。今は亡きニキ美術館長の二樹洋子(=増田静江)さんからのご紹介でした。洋子さんは50歳の時、ニキ・ド・サンフアルの小さな版画を見た瞬間、脳天から雷を落とされたような衝撃と感動のファンファーレが鳴り響き、それからは無我夢中でニキ探求と作品収集、そして大恋愛の如くニキへの大ラブレターを送り続けました。ずっと飲食店の経営者だったのに、さっさと閉店し、その店舗に〈スペース・ニキ〉というニキ作品オンリーギャラリーをオープンさせました。

『ねえヨーコ、世が世なら私達、魔女狩りにあって火炙りね!』
念願の初対面をパリで果たした時、ニキは洋子さんの手を取りそう言ったそうです。
この時ニキが洋子さんの本名〈シズエ〉と上手く発音できなかった事から〈ヨーコ〉という世界でもよく知られる名を使い、姓はもちろん二樹(ニキ)としたのです。正しくニキニキニキニキ三昧の洋子さんは、ついに栃木県那須町に素晴らしく大きな私設美術館をブチ建ててしまう強者館長でした。上野先生もニキの研究者であり大ファンだったので、洋子さんとはキャッキャと、小柄なお二人は少女のように盛り上がっておりました。私は洋子さんに出会うまで、ニキというアーティストを知りませんでしたが、この時の上野先生と洋子さんが語ったニキ作品の事が、実は今も私に刺さっていて、影響されていたのではないかと、この文章を思いつくまま書いているうち気付かされました。

その作品とは、1966年、ストックホルム美術館で発表された「ホーン」という妊婦のように腹の膨らんだ巨体女の巨人像です。
ニキには「ナナ」という代表的なキャラクター作品があり、この「ホーン」は最大級の「ナナ」像なのでしょう。
「ホーン」の大きさは、哺乳類史上最大のクジラ並みの全長で横たわり、出産の如く両脚を広げ仰向けに寝転び、性器部分には玄関口のような穴があり、そこから観客達が体内へ出入りできる巨大女体像になっていたそうです。
内部は一回りできるよう、途中途中に小さな映像館があったり、長いコンベアのようなものに空ビンが羅列され続々とリサイクルされる仕組みがあったりと、定かではありませんが他にも色々な趣向を見ながら体験しながら、胎内巡りができるというのです。
「ホーン」の性器口玄関は左右2つに分かれていて、入口と出口になっており、つまり、この作品の中で誰もが生まれ直しと生まれ変わりができるというわけです。
寺山修司の「田園に死す」にも、薄幸な遊女が亡き母に『お母さん、どうかもう一度、私を妊娠して下さい!私はもうやり直しが出来ないのです』というシーンがありましたが、泣きました。
展覧会中「ホーン」の股ぐらからは行列が絶えず、評論家やマスコミは、女ガリバーとかヨナのクジラ、世界最大の売春婦!等とスキャンダラスに激賞されたそうです。
その後ニキは師匠で恋人のティンゲリー氏と、イタリアローマ郊外の広大な土地に「タロットガーデン」なる夢の宮殿を建設しました。こちらも洋子さんのお供で参りましたが、それはそれは目が眩む不思議の国の異界世界でした。

絵描きなってしまいましたが、私が生まれた1966年にはもう既に「ホーン」なる偉大な作品があったと知り、この時20代の私は、少なからず絶望し、私は今後何を描くべきなのか、、、
ああ、そういえば24くらいから10年近く絵を描きませんでしたが、しかしそれでも描くんだよ!!としか、今ではそう思えるようにもなり、たくさん反芻してこれからも描いていく所存でございます。

私が描いたささやかな「スカートの下の劇場」が、絵のままに歌舞伎座ヨロシクのスケールで劇場になったなら、まず観客は、満月の夜、空になびくロングヘアの美少女を見上げながら、赤いスカートの下の襞襞に侵入して頂きます。
襞襞は、白木蓮の花びらのような生地に、ふんわりとソルティスの刺繍を纏いシャンパンゴールドのスパンコールや真珠で施されキラキラとシルキーなとろみを感じつつ幾層もの分厚いドレープを掻き分け窒息しそうになりながらくぐり抜けねばなりません。
襞襞のホワイトアウトが続く中、視界は突然解き放たれると壮大になり、レッドカーペットからなる巻き貝のような骸骨のような階段の頂上に、劇場内部を開ける扉がございます。
扉の向こうから薄く肉桂の香りと芸者囃子が聴こえ、開演のベルが鳴るのです。
本日の舞台演出はパゾリーニ監督でございます。

それにつけても、この度のまさかの非常事態のコロナウィルス感染で個展やアートイベントを失い、貧困は自己責任と、国と家族に突き付けられているようで、責め苛められる日々でございます。
どうか一刻も早く、この得体の知れぬ嵐が過ぎ去るよう、今暫くは耐えて参りましょう。

成田朱希 2020.4.15

追伸・「ミッドナイトコール/上野千鶴子著」の文庫の装丁装画は私です。

 

オンライン展覧会開催中
【#S|成田朱希新作展 “春と修羅”】
【成田朱希 個展】

 

[ 箕輪 千絵子 ] #S|箕輪千絵子「居る」

[ 2020年5月9日 ]

「居る」 2020 パネルに和紙、墨、岩絵の具 910×727(F30)

 

外出自粛が続く中、SNSでは「Stay Home」の言葉をよく目にするようになりました。
「居る」というタイトルは、英訳すると「Stay」になりますが、こんな状況になるとは全く考えずにつけたものでした。
私はここ何年か「件(くだん)」という人面牛の予言獣をモチーフに制作を続けていますが、この作品に「居る」というタイトルをつけたのは「件は出現するのではなく、いつも居るものではないか」と考えたからでした。いつもは気づかない存在であるが、気にかけて見るとそこに居る。そんな存在が件なのではないかと思ったのでした。

私にとって絵を描くことは、まじないのようなものでもあります。元来、絵とはそういうものであったのではないかと思うのです。
多くの人が困難を乗り越えられるように願いながら作品をつくり続けられたらと思います。

2020年4月 箕輪千絵子

 

オンライン展覧会開催中
【#S|箕輪千絵子 “Stay”】
【箕輪千絵子 個展】

 

[ 池田 満寿夫 ] #S|池田満寿夫 「女・動物たち」

[ 2020年4月25日 ]

池田満寿夫 「女・動物たち」 1960年  銅版画

第2回東京国際版画ビエンナーレ展《文部大臣賞》受賞
「池田満寿夫銅版画展」(1961不忍画廊)出品作

 

池田満寿夫(1934〜1997)とは、高校一年(1949年)から半世紀にわたるつきあいだった。戦後大陸から引き揚げ、御両親は長野市内で下宿屋をしていた。
明るい男で、当時流行ったゴムのボールの野球も熱心で足も早かった。高2ぐらいの時、校長室前の廊下に水彩コンクール入賞した池田の絵が飾られたことがあった。彼の嬉しそうな顔があった。
我々の通った長野県立長野北高等学校(現長野高等学校)は、県下でも有数の進学校。文武両道を唱える高校であった。しかし美術大学志望は当時皆無だった。池田は3回芸大を受けて失敗しあきらめた。
上京して独学で画家を目指し、瑛九と出会ったことで色彩銅版画を習得、東京国際版画ビエンナーレ展で国際的な審査員(NY近代美術館版画部長W.S.リーバーマン)に認められたこともあって次々と賞を重ね、たちまち現代日本版画のスターになってしまった。
画家・堀内康司の紹介で不忍画廊で初個展をしたのが1961年であった。

また一方、文章にもすぐれた才能を発揮して芥川賞まで受賞してしまった。
日本の画家は池田以前、大げさにいえば、命がけで、ねじり鉢巻で、描いて描いて描きまくる世界に生きていた。それを引っくり返した。
軽ろみのアートを目指したのである。
晩年、唯一やり残していたペインティング大作も手がけ始めていたようで、新しい展開を見られなかったのは非常に残念なことである。

2020年4月 荒井一章

 

オンライン展覧会開催中
【#S│MASUO  IKEDA “Selection”】
【池田満寿夫 個展】

 

会場風景:60th anniversary シノバズクロニクル1960〜2020→ 2020. 1/14(火)- 2/29(土)

[ 2020年1月14日 ]

[ 成田 朱希 ] [ 池田 俊彦 ] [ 藤浪 理恵子 ] 会場風景:BLIND PEAK Ⅱ “Naked Babylon” 鈴木明日香、村上仁美、池田俊彦、庄司朝美、成田朱希、藤浪理恵子、ハンス・ベルメール 2019. 9/13(金)- 28(土)

[ 2019年9月13日 ]

[ 山田 純嗣 ] [ 會田 千夏 ] [ 設楽 知昭 ] 会場風景:“Imagination dead imagine” 會田千夏|設楽知昭|三井田盛一郎|山田純嗣 2019. 8/16(金)- 31(土)

[ 2019年8月16日 ]

[ 見崎彰広 ] 会場風景:見崎彰広 個展 “monologue” 2019. 7/16(火)- 28(日)

[ 2019年7月16日 ]



[ 釣谷 幸輝 ] 会場風景:釣谷幸輝 個展 “cookies” 2019. 7/16(火)- 28(日)

[ 2019年7月16日 ]

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[ 二階武宏 ] 会場風景:二階武宏展 MIXED MEDIA 2019. 6/10(月)- 29(土)

[ 2019年6月10日 ]














[ 過去|past ] [ 門坂 流 ] 会場風景:門坂流の”芸術” 2019. 6/10(月)- 29(土)

[ 2019年6月10日 ]

[ 箕輪 千絵子 ] [ 藤田 典子 ] [ 藤田典子・箕輪千絵子 ] 会場風景:アルケミカル・ミューズ 生熊奈央|謝敷ゆうり|藤田典子|箕輪千絵子|山田彩加|山根一葉 2019. 5/17(金)~6/1(土)

[ 2019年5月17日 ]















[ ルオー ] [ 斎藤 真一 ] [ 池田 満寿夫 ] 会場風景:RED & BLACK 斎藤真一 × 池田満寿夫 × ルオー 2019. 4/15(月)- 27(土)

[ 2019年4月15日 ]

斎藤真一(1922-94)は盲目の女旅芸人・瞽女がかつて見た「赤」を、

池田満寿夫(1934-97)は代表作に効果的な「赤と黒」を。

G・ルオー(1871-1958)は崇高な「黒」を描きました。

ムンク、ルドンなどのモノクローム作品もあわせ展示します。

3アーティストを中心に≪赤と黒≫の作品を集めた特別企画です。

*会期最終3日間(4/25,26,27)は、日本橋・京橋100軒以上の美術店が参加する東京アートアンティークスに不忍画廊も参加しています。

[ 大島 哲以 ] 会場風景:没後20年 大島哲以の世界展 2019. 3/25(月)- 4/6(土)

[ 2019年3月25日 ]

[ 作家 ] 会場風景:林 倭衛 展 ~残された画帖をひらく~ 2019. 3/4(月)~16(土)

[ 2019年3月4日 ]






[ サイトウノリコ ] [ 中村 正義 ] [ 二階武宏 ] [ 作田 富幸 ] [ 北川 健次 ] [ 古茂田 守介 ] [ 呉 亜沙 ] [ 安元 亮祐 ] [ 山中 現 ] [ 山田 純嗣 ] [ 成田 朱希 ] [ 斎藤 真一 ] [ 橋場 信夫 ] [ 池田 俊彦 ] [ 池田 満寿夫 ] [ 渡辺 千尋 ] [ 田沼 利規 ] [ 藤浪 理恵子 ] [ 見崎彰広 ] [ 設楽 知昭 ] [ 鈴木 敦子 ] [ 長谷川 利行 ] [ 集治千晶 ] [ 駒井哲郎・長谷川潔・浜口陽三 ] 会場風景:Collection|近代美術 ⇄ Selection|現代美術 2019.1/10(木)-26(土)

[ 2019年1月10日 ]


























[ アーティストニュース ] [ 長谷川 利行 ] 長谷川利行展に寄せて-荒井一章

[ 2018年12月10日 ]

長谷川利行展|府中市美術館にて 2018.5.19

長谷川利行展に寄せて

荒井一章

私の知るかぎり最高の長谷川利行展が始まった。福島県立美術館を起点に、都内では府中市美術館(2018年5月19日〜7月8日)と続く。新発見の作品もあって話題豊富である。私は長谷川利行展を自分でも何度も手掛けたり、利行の会として企画に参加してきたけれど、今回の展覧会は出品点数155点、しかも利行選りすぐりの見逃すことのできない作品ばかり。利行の作品は生で見るのがいちばん。立派な画集、特集記事の掲載写真はいくらもあるけれど、実物をしっかり見ることには及ばない。その絶好のチャンスが今回の長谷川利行展だと思います。

私は初日の3月27日、福島県立美術館へ出かけました。桜の咲くのには早い東北、しかし暖かい青空の日。広い敷地に建つ福島県美の重厚さの中での長谷川利行展は堂々と素晴らしいもので、感動しました。

監修された前岩手県立美術館館長の原田光氏ともお会いし、お互い「いい展覧会ですね」と言葉を交わしました。不忍画廊旧蔵の「水泳場」(板橋区立美術館蔵)は今回展の図録表紙になっています。「ガスタンク」はかつて不忍画廊が上野にあった時代に所蔵していましたし、懐かしい思い出の作品と出会いました。私の義父で、利行を生涯をかけて世に出した木村東介氏はいつも言っていました。「ユトリロより利行が上だよ」と。「パリで利行展をやってみたい」とも。私には「絵を見る物差しは利行」と。思い出す言葉です。長谷川利行展会場を歩きながら、利行は「日本のゴッホ」なんだと思いました。

必見の展覧会ですよ。

2018年11月13日(火)~12月24日(月・祝)|足利市立市美術館

2018年3月24日(土)~4月22日(日)|福島県立美術館|終了
2018年5月19日(土)~7月8日(日)|府中市美術館|終了
2018年7月21日(土)~9月9日(日)|碧南市藤井達吉現代美術館|終了
2018年9月22日(土)~11月4日(日)|久留米市市美術館|終了

[ 二階武宏 ] [ 藤田 典子 ] 会場風景:二階武宏展“刻線の迷宮” 小展示室にて:藤田典子新作展“ghost fossils”

[ 2018年12月4日 ]

















[ 集治千晶 ] 会場風景:集治千晶 個展 “Hybrid of the Girl’s Icons” + Chiaki’s Shop

[ 2018年12月4日 ]
















窓に直接ライブペイントする集治さん

作品と作家

[ 中佐藤 滋 ] [ 安元 亮祐 ] [ 斎藤 真一 ] 会場風景:ノ ス タ ル ジ ア 斎藤真一 ★ 中佐藤滋 ★ 安元亮祐 展

[ 2018年10月11日 ]



















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