BIRTH 結城泰介×箕輪千絵子×藤田典子
[ 2013年7月18日 ]
結城泰介 Taisuke Yuuki




結城さんは摺りが好きな銅版画家として稀な作家。
展覧会場にプレス機を持ってきて下さり、ワークショップ(中学生への指導)や、
何度も摺りのデモンストレーションを行って頂きました。


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箕輪千絵子 Chieko Minowa




箕輪さんのワークショップは、自作を雁皮紙に摺り薄い糊で来場者の腕に貼付け、タトゥーのように見せるというもの。
かなり好評で20名ほどの方々が体験してくれました。



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藤田典子 Noriko Fujita




[ 池田 満寿夫 ] 池田満寿夫美術館「池田満寿夫ライブラリー」
[ 2013年7月10日 ]
池田満寿夫美術館「池田満寿夫ライブラリー」に行ってきました。
~7/23迄ですが、是非いろいろな方に観て頂きたい大変面白い企画です。
池田満寿夫は、おそらく日本で一番 ”本=BOOK” との関わりが多い(それも圧倒的に!)多いアーティストであるでしょう。
周知の通り『エーゲ海に捧ぐ』で芥川賞を受賞(同名の映画も大ヒット)、専門の小説家でない者が受賞することは当時(1977年)、かなり話題となり多くのメディア(TV,新聞、ラジオ、週刊誌等々)に登場し、作品以上に池田自身が有名となりそのライフ・スタイル(ぼさぼさの長髪、擦り切れたジーンズなどのファッションセンスも含め)などは多くの若者に支持されました。
美術誌から一般雑誌まで依頼された仕事は池田自身への取材だけでなく、ライフスタイルを紹介するエッセイ、有名な作家たちの小説挿絵、新旧の作品を使用した本の装丁(有名デザイナーが行うだけでなく自身でも装丁デザインを担当することも良くあった)など、”本”に関わる仕事は、池田本人ですら不可能な程の圧倒的な仕事量をこなしていましたが、それは仕事としてだけでなく(下記、展示パネルのことば参照)池田自身が本に関わる仕事が、本当に好きであった何よりの証拠であると思います。
*下記画像は、美術館からの許可を得て撮影・公開しております。無断借用はご遠慮ください。




























池田満寿夫美術館HPより「池田満寿夫ライブラリー」
[ 作家 ] [ 鈴木 敦子 ] 須坂市版画美術館「鈴木敦子・岩佐徹展 ~清宮質文さまへ」へ行きました。
[ 2013年7月10日 ]
緑がいっぱいの美術館【須坂市版画美術館】
創作版画の巨匠・平塚運一郎コレクションが中心の版画美術館で、木版画家・鈴木敦子さんを紹介する企画展が始まりました。

駐車場から美術館まで、緑であふれる小径を十数m歩くとモダンな美術館が現れます。

木版画に使用する「鑿(ノミ)」の彫あとの曲線をイメージしたというモダンな外壁(ギャラリー内装も同じように曲線です)


美術館は版画作品が身近に感じられるよう小展示室が数室あります。
企画展は3つ。館蔵の「平塚運一郎・自然を見つめて」、「清宮質文展」、「鈴木敦子・岩佐徹展~清宮質文様へ」

企画展入口には、来館者には嬉しいお持帰り可能な<作家紹介パンフレット>と<出品リスト>
そして、老眼鏡も無料貸出しされていました。

***ここからの撮影は美術館の許可を得て撮影・ご紹介させて頂きました。***
企画展第一室は「清宮質文展」。詳細画像はあえてご紹介しませんが、出品セレクションが何よりも素晴らしい!!!
清宮ファン・木版画作家、必見! 貴重な清宮氏の木版画原版が3点分も展示されていました。
「これが繊細な清宮作品になるとは・・・」
丁寧な解説があっても完成作がイメージできない抽象的な「木片」ですが、
その1枚1枚が、美しい〝詩の欠片″ となっているように思いました。
小規模ながら想像以上に充実した内容で堪能できます。遠方から見に来ても<見る価値有り>です。

・・・・清宮質文の小部屋を抜けると、鈴木敦子・岩佐徹の新・近作の小部屋。

鈴木さんはモノタイプ小品を、オリジナルアクリルBOXに入れ、オブジェのように展示しています。
岩佐さんは牛乳パックを利用されているのでしょうか、、、素敵な色彩のオブジェ!

右の作品は、今回の須坂展の為に制作した新作木版画。 ↓↓



・・・次の小部屋。鈴木敦子の、初期作と美術館所蔵の作品などを展示しています。
技術は新作の方が数段上ですが、初期の(良く少女が登場する)素朴な刷り色の作品もなかなか良いです。
すでに絶版となった作品が多く、ここででしか見る事が出来ない作品が数点ありました。


↓ 詩画集『午後の光』の巻末に収録された「街の空」別色摺り8バージョン。
4バージョンしか、知らなかったので初めて見ました。この額装が憎い!! ↓


↑
こちらのモノタイプオブジェは8面(裏表4面づつ)に作品が入っています。
これはTICAFというアートフェア出品用に「小さなモノタイプ作品をオブジェとして展示出来ないだろうか?」と、
額屋さん、スタッフと練りに練ったアイデアで完成させたアクリルBOXオブジェです。
↓

向かいの壁に展示していた同時出品の岩佐徹さんは、木版摺りの美しさを来館者に伝える為、アクリルをはずして展示していました。
画面中央奥のガラスケース内には背景色に黒のタテジマが入った作品を色違いで数点展示、これが美しい。

日本の現代版画史の中でも、その詩情溢れる作品でますます人気が高くなっている清宮質文との同時開催、
楽しみでもありまた、圧倒されないかという一抹の不安は観終わる頃にはすっかり忘れていました。
清宮質文展は秀逸な作品セレクションと、内容の濃い展示、
鈴木敦子・岩佐徹の作品は、その色と形が自然に心と体に入ってくるように気持ち良く見られました。
この二人は清宮作品への憧れや想いをまっすぐに制作の糧として取り入れ
木版画制作に対して真摯に向き合っているからでしょう。


<須坂市版画美術館公式HP> http://www.culture-suzaka.or.jp/hanga/exhibition.html#next
<同ブログ> http://blog.suzaka.ne.jp/bunka?cat=190