医療現場で人体解剖図を描いてきた画家・亀井三千代による、東京では4年ぶり、不忍画廊では初めてとなる個展を開催いたします。
その独創的な解剖幻想世界の始まりでありながら、いままで大きく紹介されてこなかった「花」を描いた初期秀作を中心に、水墨による新作絵画までを、企画協力に美術評論家の相馬俊樹氏をむかえご紹介いたします。
プロフィール
1966年東京生まれ。幼少期を京都で過し、独学で絵を描く。1996年より東京医科歯科大学(現:東京科学大学)・医学部解剖学講座にて聴講を始め、人体解剖図、医学論文用イラストを多数作成する。慶應義塾大学文学部哲学科卒業。「日本水墨画大賞展2015」準大賞受賞。現在、人人会会員。
作品
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展覧会情報
- 展覧会名: 「亀井三千代 個展 ─華艶闇夢 燃えさかる妖艶な花々─」
- 会 期: 2024年11月16日[土] – 30日[土] 入場無料
- 会 場: 不忍画廊 (〒103-0027 東京都中央区日本橋3-8-6 第2中央ビル4F)
- 開廊時間: 12:00 – 18:00
- 休 廊: 月曜・火曜
会場写真
展覧会ブログ
亀井三千代 個展
亀井三千代 個展
花に内臓を
内臓に花を感じて
火のような
双方のゆらぎの中を往き来した
身体に潜む植物たち
描かれることによりそれらは
人が付したあらゆる名称から解放される
人間以前の不可知な永遠
無垢で無名な〈かたち〉となる
亀井三千代
I felt the innards in the flowers and the flowers in the innards
It was like fire
I went back and forth between the fluctuations of both
the plants hiding in the body
by being drawn
they are freed from all the names that humans have given them
an unknowable eternity that exists before humans
they become pure and nameless
Michiyo Kamei
美術評論家・相馬俊樹による亀井三千代評
外の世界に解き放たれて生々しく息づく臓器の断片は、肉の感触を纏う花々として燃えさかり、麗しき肉色華へと変容 ─ 結晶化する……
医療現場で人体解剖図を描き続けた亀井三千代は解剖画と植物画との婚姻を夢み、やがて、解剖画と春画とを融合させる独創的な着想を育んでいった。
このたびの展示では、そのような女性絵師の綺想の焔を、ある観点においては彼女の眷族であり、先達といっても過言ではない大島哲以 (1926~1999) の、魅毒を盛られた華惨夢が煽り立てることとなろう。
Fragments of organs that are released to the outside world and breathe vividly burst into flames as flowers wrapped in the touch of flesh, transforming into beautiful flesh-colored flowers…
Michiyo Kamei, who continued to draw human anatomy diagrams in the medical field, dreamed a marriage between anatomical drawings and botanical drawings. She eventually developed an original idea to fuse anatomical drawings and shunga paintings.
In this exhibition, the cruel and enchanting dreams of flowers drawn by the late artist Tetsui Oshima, who can be called her predecessor, will inflame the flames of the female painter’s dreams.
相馬 俊樹(美術評論家)
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