池田俊彦 個展 -After light after time after gravity-

The melting lord -After light after time after gravity
2021 エッチング、アルシュ紙 102×198cm ed.10

「HEY! LE DESSIN」 Halle Saint Pierre美術館(フランス・パリ)、
「テクテクテクネー:技法でひらく想像世界」 長崎県美術館 出品

会期:10/8(土)~23(日)
時間:12:00~18:00
休廊日:月曜・火曜

細密な点描銅版画で老い続ける不死の存在を描く、銅版画家 池田俊彦の東京では5年ぶりとなる個展を開催いたします。
本展では3年を費やして描かれた大型細密銅版画「The melting lord -After light after time after gravity-」を中心に、
銅版画、リトグラフ、ドローイングなどの近年の仕事を紹介します。

 

真に自由な生命を創造したいと夢見ています。

これまで描いてきた死を拒絶し永遠に生き老い続けるもの達が、
この世界よりも長く在り続けたその先で、光と時間と重力という呪縛から解放され真の自由を手にした姿。

そのような生命を描き存在としてこの世界に現出させたいと、

この3年間銅の板に点を打ち腐食する日々をおくってきました。

We are melting Lords.

光と時間そして重力から解き放たれた僕らは、
その与えられた人型を捨て自らの肉体と精神を混沌の苗床とし、自らの新しい王国を創造するのです。

2022.9  南島原にて 池田俊彦

 

The melting lord-1
2022 インク、紙 50×35.1cm

池田は長崎県南島原市にあるアーティストレジデンス施設「南島原市アートビレッジ・シラキノ」に住み込み、その運営の傍ら銅版画制作を行っています。
南島原市は日本の銅版画発祥の地と言われ、約400年前にキリシタンによって銅版画が持ち込まれました。その後、島原の乱を経てその歴史が一旦終焉するという特殊で複雑な歴史を持っています。
池田はもしこの地で銅版画文化が消滅しなければ、日本独自の銅版画文化がありえたのではないかという、もう一つの時間軸の可能性を考えるようになりました。「The melting lord -After light after time after gravity」はその想定を元に制作された、点描による細密腐蝕銅版画です。
キリスト教世界とは別な形で発展し、プリミティブな信仰の中で崇拝された『崇高なるものたち』と、池田のコンセプトである『死を拒絶し永遠に老い続ける者たち』を融合させ、『雲仙』の持つ大地のエネルギーを内包させたのが今回の作品です。そこには黒の濃淡で形を造形する東洋的な銅版画空間が心地よく共存しています。
池田俊彦のアプローチした日本の銅版画の歴史と、そこから産まれた新たな銅版画表現の可能性をご高覧ください。

 

-オンライン展覧会 開催中-

IKEDA Toshihiko Solo Exhibition │ After light after time after gravity

※海外向けの為、英語表記となっております。

 

 

小展示室:DESTINY 菅野 陽| 渡辺千尋|池田俊彦

 

銅版画を芸術の域まで押し上げたデューラーから500年、その系譜と自負する事で銅版画家としての宿命を背負い続け制作する池田俊彦
もう一つの仕事場シラキノアートヴィレッジ(北村西望の母校をリノベーション)は日本の銅版画発祥の地・南島原市にある。

 

渡辺千尋 「空の森」 1987 エングレービング

ビュランの名手・渡辺千尋(長崎育ちを自負)は南島原市(当時は有家町)から銅版画「セビリアの聖母」復刻依頼を受け、
この日本最古の銅版画は隠れキリシタンによるものと知る(著書『殉教者(マルチル)の刻印』に詳細)。
渡辺が調査過程で参考にしたのが菅野陽著『日本銅版画の研究-近世』。

 

菅野陽 「かぜ」 1958  リフトグランド、エッチング、サルファチント、アクアチント

菅野陽は東京芸大日本画卒後は油画で前衛美術会等で活躍。関野準一郎の教わった銅版画にのめり込み、
駒井哲郎と共に銅版画研究を重ね日本初の技法書『銅版画の技法」刊行。
’50〜’60年代は日本代表として国際版画展に出品していたが’70年代校半頃からは版画研究者として著名。

交流のない3人が “銅版画家の宿命” で繋がる企画「DESTINY」の第二弾。