サイトウノリコ新作展 2024 - NORIKO SAITO 2024

サイトウノリコ新作展 2024 - NORIKO SAITO 2024

エネルギッシュでユーモア溢れるドライポイント作品を中心に制作する現代アーティスト・サイトウノリコ。
2023年夏には汐留・パークホテル東京34Fの客室壁画【アーティストルーム Childhood:子供時代】が完成し、国内外の様々なお客様から「エネルギーをもらえた!」と好評を博しました。

今新作展ではアーティストルーム制作後の作品を中心に、新しい試みである半立体の《ボックスアート》や、画面を超えて額縁までペインティングが施された《ミックスペインティング》など、版画に留まらず表現を進化させ続ける新作をご紹介します。

子供の頃、永遠に続くように感じていた夏休み。身の回りの他愛ないものを宝物のように大切にしていたこと。サイトウノリコの作品には、誰しもが子供時代に感じていた冒険への憧憬と、現代社会に存在する無数の見えない壁や、個人の力ではどうにもできない大きなうねりの中にあることを表現し続ける姿が同居しています。平面表現の《枠(フレーム)》を超え、自由な呼吸を掴み取ろうとするサイトウノリコの最新作をご覧ください。

── 2024年2月 不忍画廊

プロフィール

サイトウノリコ|Noriko Saito(1973 – )

1973年神奈川県横須賀生まれ。1998年に多摩美術大学絵画科版画専攻卒業、2000年に多摩美術大学院美術研究課終了。エネルギッシュでユーモア溢れるドライポイント作品を中心に制作する。2023年6月よりパークホテル東京(汐留)の「アーティスト・イン・ホテル」プロジェクトで、アーティストがホテルに滞在しながら客室を丸ごと作品にする「アーティストルーム」を制作。「子供時代」をテーマにした客室は2023年9月1日に完成。

パークホテル東京 アーティスト・イン・ホテル - 『作者メッセージ』より

小さい頃家の近くに造船所があって、そこの廃材所から鉄のガラクタ、レンガを持ってきては憧れのロボットを釘で引っ掻いて作っていました。釣りもやったし、くたくたになるまで走り回って遊んでいました。常にどこか頭の片隅に、星はきちんとした五角形の薄っぺらなキラキラしたもので、空に張り付いていると思っていました。17歳の時先生に、そこを指摘されて初めて空間と星の世界がわかった気がした。そこでパアッと目覚めた瞬間だったのを覚えています。私の作品は主に銅版を使ってニードルで引っ掻いて描いています「Lifeシリーズ」というタイトルで日常を描いています自由に見える感覚の中に非日常があります。ハッピーに見える中にも世界は常に何かが起こっていてどんどんめまぐるしく変わり、平等ではないし、答えもない、いつもどこかで戦争もしている。そのどうしようもない事を、言葉とか、その時のその人のルーツを探って、自分の中で噛み砕いて、描いています。一本の筋みたいなもの、自分が自分であり続けるためにどんな出来事があっても少しのユーモアと自由は存在する。近年はハーバード大学美術館がそのLifeシリーズ作品と他数点を買い上げて展覧会、ワークショップを行った。

── パークホテル東京 アーティスト・イン・ホテル - サイトウノリコ『子供時代』

展覧会情報

〈サイトウノリコ新作展 2024 NORIKO SAITO 2024

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