てらだ・いたる(1951~2014)
1951年 愛媛県西条市生まれ。1975年 大阪芸術大学美術学科絵画専攻卒業、東京藝術大学大学院(絵画組成)聴講生。旅先の風景や、身近な事物・人物を題材に、大胆な画面構成と一筆で描き上げる軽妙なタッチで、対象の息吹が感じられる多くの作品を生み出した。
79年 西銀座画廊、80年 ギャラリー玉屋、82年、83年、85年 シロタ画廊、91年 プランタン銀座、92年 柏そごう、93年 横浜そごうなど。2014年 逝去。
2018年 羽黒洞(東京)、ギャラリーかわにし(愛媛)での遺作展がコレクター、美術関係者で話題となる。2024年 不忍画廊、みさき画廊(大分)、ギャラリーかわにし(愛媛)、豊田画廊(愛知)等で回顧展予定。
知られざるモダニスト 寺田至展
1980〜90年代、期待の新星として登場するも、束縛のない自由な制作を求め第一線から退いた寺田至。
没後の2018年、東京と愛媛で開催された遺作展で作品が公開されると、目の肥えたコレクターや関係者の間で多いに話題となった。
身近な事物や人物、旅先で出会った風景などを中心に、フォルムを単純化した静物や抽象画まで実に多彩。それらを、豊かな空気感をたたえた大胆なストローク、光の表情を的確に捉えたタッチ、洒脱かつ繊細な色彩感覚で活写する画面には、いずれにも存在の息吹が満ちみちており、三次元を二次元に変換する絵画ならではのイリュージョンの本質を思わせずにおかない。また、デ・クーニング、マチス、ホックニー、ブラック、モランディらへのリスペクトを映じつつも、油彩のみならずテンペラや日本画材、独自調合の絵具までをも自在に扱うことで、そこからの超克と自身の理想とを追求する姿勢は、伝統や枠組みからの脱却を目指すモダニストの在り方を示すものでもある。
没後10年の節目となる2024年早々、東京をスタートに各地数カ所で開催される回顧展が、その再評価を促進させるのは間違いない。
寺田 至 展に寄せて - 寺田由紀子
至は丸くて機械で動くものが大好きだと言い、欧米の古いカメラ、管球式のオーディオ機器、マニュアル運転の車に並外れた興味を持ち、それを手にして楽しみました。
生活面では、高校及び中高一貫校の美術講師として長年勤務。生徒たちに好かれました。
生涯、美術団体には所属しませんでした。
部屋に残された沢山の作品が誰の目にもふれられず埋もれてしまう。私が見ている絵はこんなに魅力的なのに・・・未発表の絵画を展示することにしました。
—— 2018年 羽黒洞『寺田 至 展』に寄せて 寺田由紀子
展覧会情報
「知られざるモダニスト 寺田 至 展」
- 会場 : 不忍画廊(〒103-0027 東京都中央区日本橋3-8-6 第二中央ビル4F)
- 会期 : 2024年1月11日(木) ~ 27日(土)
- 開廊時間 : 12:00 ~ 18:00
- 休廊日 : 日曜・月曜(1月14日, 15日, 21日, 22日)
- 掲載 :
- 月刊美術 2024年1月号『画廊街イチオシ展覧会』に特集記事が掲載されました。
- 芸術新潮 2024年1月号『GALLERY’S PLAZA』に掲載されました。
展示風景
てらだ・いたる(1951~2014)
1951年 愛媛県西条市生まれ。1975年 大阪芸術大学美術学科絵画専攻卒業、東京藝術大学大学院(絵画組成)聴講生。旅先の風景や、身近な事物・人物を題材に、大胆な画面構成と一筆で描き上げる軽妙なタッチで、対象の息吹が感じられる多くの作品を生み出した。
79年 西銀座画廊、80年 ギャラリー玉屋、82年、83年、85年 シロタ画廊、91年 プランタン銀座、92年 柏そごう、93年 横浜そごうなど。2014年 逝去。
2018年 羽黒洞(東京)、ギャラリーかわにし(愛媛)での遺作展がコレクター、美術関係者で話題となる。2024年 不忍画廊、みさき画廊(大分)、ギャラリーかわにし(愛媛)、豊田画廊(愛知)等で回顧展予定。
知られざるモダニスト 寺田至展
1980〜90年代、期待の新星として登場するも、束縛のない自由な制作を求め第一線から退いた寺田至。
没後の2018年、東京と愛媛で開催された遺作展で作品が公開されると、目の肥えたコレクターや関係者の間で多いに話題となった。
身近な事物や人物、旅先で出会った風景などを中心に、フォルムを単純化した静物や抽象画まで実に多彩。それらを、豊かな空気感をたたえた大胆なストローク、光の表情を的確に捉えたタッチ、洒脱かつ繊細な色彩感覚で活写する画面には、いずれにも存在の息吹が満ちみちており、三次元を二次元に変換する絵画ならではのイリュージョンの本質を思わせずにおかない。また、デ・クーニング、マチス、ホックニー、ブラック、モランディらへのリスペクトを映じつつも、油彩のみならずテンペラや日本画材、独自調合の絵具までをも自在に扱うことで、そこからの超克と自身の理想とを追求する姿勢は、伝統や枠組みからの脱却を目指すモダニストの在り方を示すものでもある。
没後10年の節目となる2024年早々、東京をスタートに各地数カ所で開催される回顧展が、その再評価を促進させるのは間違いない。
寺田 至 展に寄せて - 寺田由紀子
至は丸くて機械で動くものが大好きだと言い、欧米の古いカメラ、管球式のオーディオ機器、マニュアル運転の車に並外れた興味を持ち、それを手にして楽しみました。
生活面では、高校及び中高一貫校の美術講師として長年勤務。生徒たちに好かれました。
生涯、美術団体には所属しませんでした。
部屋に残された沢山の作品が誰の目にもふれられず埋もれてしまう。私が見ている絵はこんなに魅力的なのに・・・未発表の絵画を展示することにしました。
—— 2018年 羽黒洞『寺田 至 展』に寄せて 寺田由紀子
展覧会情報
「知られざるモダニスト 寺田 至 展」
- 会場 : 不忍画廊(〒103-0027 東京都中央区日本橋3-8-6 第二中央ビル4F)
- 会期 : 2024年1月11日(木) ~ 27日(土)
- 開廊時間 : 12:00 ~ 18:00
- 休廊日 : 日曜・月曜(1月14日, 15日, 21日, 22日)
- 掲載 :
- 月刊美術 2024年1月号『画廊街イチオシ展覧会』に掲載されました。
- 芸術新潮 2024年1月号『GALLERY’S PLAZA』に掲載されました。